
ヨガの種類はいっぱいあるけど何が違うのだろう?と疑問に思ったことはありませんか?
ヨガには、私たちにとてもなじみのあるエクササイズ的な「現代のヨガ」とあまりなじみのない「伝統的ヨガ」というのがあるのをご存じでしょうか?
今回は「伝統的ヨガ4種類」にフォーカスし解説していきたいと思います。
ヨガをこれから始めたいと考えている方から既にもう始めているけれどヨガの種類についてもっと知りたいという方まで。
ヨガの種類や目的について知ることで、いままでのヨガのとらえ方が変化し、ヨガへの理解が深まります。なぜヨガをするのか?どんなヨガが自分に合っているのか?を見極めるための参考にしてみてください。
自分にあったヨガを選ぶことは、本来のヨガの意味をより深く理解することに繋がり、ヨガを楽しく継続し易くさせます。
もくじ
●伝統的なヨガの4種類
伝統的な4つのヨガの種類について解説していきます。
およそ5000年以上も前から行われてきたヨガの究極のたった1つの目的は、肉体、心、魂を統合させ、宇宙の創造主である至高の存在(意識)に合一させる事でした。
これはすなわち、人間が自分自身の本質を知ることで、あらゆる苦しみから解放され自由になること、悟りを開くことです。
それを成し遂げるために、人間の知性、心、感情、意思などを鍛錬し、古代から様々な修行法が行われてきました。
ヨガのアプローチ方法は違えども、究極の目的は全て同じで、自分が至高の存在である意識と同一であると知る事なのです。これは、5000年も前からあるヨガの考え方なのです。
「伝統的なヨガ」は大きく分けて以下の4つの種類になります。
1.瞑想のヨガ「ラージャヨガ」-Raja yoga
2.知識のヨガ「ジュニャーナヨガ」-Jnana Yoga
3.行動のヨガ「カルマヨガ」-Karma Yoga
4.信愛のヨガ「バクティヨガ」-Bhakti Yoga
1.ラージャヨガ
それでは、まず初めに「ラージャヨガ」とは何かを解説していきます。ラージャには「王様」という意味があり、「ヨガの王様」「ヨガの王道」といえます。心や知性を科学的にコントロールし、瞑想を中心に実践していきます。
「ラージャヨガ」には、ポーズをとり、呼吸や目には見えないエネルギーの流れをコントロールする「ハタ・ヨガ」(Hata yoga)や音に瞑想する「ナーダ・ヨガ」(Nada yoga)や真言を唱える「マントラ・ヨガ」(Mantra Yoga)などがあります。
いずれも瞑想状態になることで、ヨガを達成する方法です。

2.ジュニャーナヨガ
「ジュニャーナ」とは「知識または知恵」の意味があります。インドに古くからあるヴェーダ経典の知識を学ぶことにより、究極の自由と悟りを開くことを目指します。
「本当の自分とは何か?どこからきて、どこに行くのだろう?」と、ヴェーダンタ哲学(不二一元論)を学び、自己探求、熟考、瞑想の実践を通じて本当の自分とは何か知るヨガです。
本当の自分(真我/アートマン)を知り、さらに自分と宇宙の源(ブラフマン)が同じでものであることを理解していきます。
ヨガのなかでも最も難しいヨガといわれていますが、その人の性質やタイプにより、知識に重点を置き学ぶことが他のヨガの道よりも悟りやすい人もいるようです。
また、「ジュニャーナ(知識)ヨガ」からだけでなく、「瞑想」や「カルマヨガ」など合わせて行う事で、より一層、ヨガの理解が深まり楽しく学ぶことができるので、それらを組み合わせて行うのがおすすめです。

3.カルマヨガ
「カルマヨガ」とは「行為のヨガ」や「行動のヨガ」などと呼ばれます。
「カルマ」と聞くと、「前世から持ち越している課題」や「前世より引き継いでしまった深い傷が、今世に影響していること」などをイメージする方もいると思います。ですがヨガでは、「カルマ」とは「行為」や「行動」の事をいいます。
「カルマヨガ」では日常の生活の中で、自分に与えられた仕事、家庭や職場での役割を「見返り」や「報酬」「結果」を期待せずに行う練習をしていきます。心を平静に保つことで、本当の自分を知る事を目指します。
私たちは、「良いことをすれば、良いことが返ってくる。だから、良いことをしよう」とか「悪いことをするとバチが当たるからやめておこう」と頭で考えて結果を期待し行動しがちです。
そして、自分の期待する結果と異なることが起こると、どうしてこんな結果になるのかと、落胆し、心は乱され、苦痛を味わいます。「見返り」や「報酬」「結果」を手放すことで、苦悩から解放され、心は穏やかになります。
私たちは、宇宙、自然から「無償の愛」を与えられています。何の引き換えもなしに、空気を吸う事ができ、食物が与えられ、生命を維持しているのです。
そこには、考えはなく「無償の愛」という意識があるだけです。それと同じように、「カルマヨガ」を練習していくと自分の内にある「無償の愛」に気づき「宇宙意識の感覚」に近づくことができるといいます。
「カルマヨガ」を実践する生き方を選ぶことで、ストレスは減り、心を平静にバランスの取れたものに保ちます。心を平静な状態に保つことで、自分の本質を知ることができるようになります。

4.バクティヨガ
「バクティヨガ」は、「信愛のヨガ」「献身のヨガ」など訳されます。
神を妄信的に信仰するヨガというイメージがあり、宗教的な信仰がない人たちにとっては、あまり関係ないヨガだと思われがちですが、実は自分の本質を学ぶためにはもっとも重要なヨガといえます。
なぜなら、至高者、宇宙、自然、神を呼ばれるものへの信愛がベースにあることで、ヨガを深く知る助けになると考えるからです。信頼や信愛がなければ、それが何かを知ることは難しく、ヨガの道を進む事を妨げる原因となり得ます。
ですから「バクティヨガ」はとてもヨガの中では最も大切と考えられます。
ヨガを学ぶ人々の間でバイブルとされる「バガバットギータ」はバクティヨガの経典でもあります。そこにはヨガは「神(イシュワーラ)に帰依することで自身の本質を知る」ことだと書かれています。
神というと、宗教的で、人知を超えた、計り知れない力を持つ神様をイメージしてしまう方も多いかと思います。
ですが、ヨガでは、私たちはイシュワーラ(個の根源、真我、本当の自分、アートマン、プルシャ)であると考えます。
「個(自分)の根源に帰依し、自分の本質を知る」ことは、イシュワーラ(アートマン)とブラフマン(宇宙の創造主、全ての原因)と同じであると知ることなのです。
アートマン(自分の真我)とブラフマン(宇宙)との一体感のことをヨガと呼びます。
「神を信愛し知ること」=「自分の真我知ること」=「宇宙を知る事」=「真我と宇宙との融合」=「ヨガ」
バクティヨガの実践と特徴について
バクティヨガ実践やその特徴について下記、具体的に解説します。
●歌や祈りを行う
●神を信愛すること
●愛と献身
●誰でも救われるという考え方
歌や祈りを行う
バクティヨガでは「神の栄光、聖なる名前、形、質」について歌うキルタンという聖歌のようなものがあります。神を思い歌う事で、ネガティブな思考から解放され、音楽の音に精神を集中させることで瞑想状態を作り出します。
神への信愛
常に「神への信愛」をささげることを信念とします。四六時中、神への信奉や祈りに専念することで、さまざまな良い効果があり、自己から解放されるといいます。
瞑想する時間のない人でも、神への信奉を生活の中に取り入れ実践しやすいという特徴があります。
愛と献身
バクティヨガは、「愛と献身のヨガ」と呼ばれます。「自分自身を愛し信頼すること」「見返りを求めない」ことも特徴です。自分自身に優しい言葉をかけてあげたり、ケアしたりすること、そして、神への祈りへ対して、見返りを求めない事も挙げられます。
誰でも救われるという考え方
古くからあるヨガは瞑想し悟りを得るという少し難しいイメージがあります。
しかし、「バクティヨガ」は社会において働く人々にも受け入れやすいように改良され「誰でも実践すれば救われる」という考え方が根底にあります。
その為、比較的優しいヨガと言われています。

●ハタヨガとラージャヨガの関係
以上の4つ「ラージャヨガ」「ジュニャーナヨガ」「カルマヨガ」「バクティヨガ」が主な「伝統的ヨガ4種類」となります。
現在、私たちが「ヨガ」と呼んでいる体を動かすエクササイズ的なヨガが一つも出てこないことに疑問を持たれた方もいるかもしれません。
実は、私たちが現在ヨガと呼んでいるエクササイズ的なヨガは「ラージャヨガ(瞑想)」に到達するための過程における身体的なヨガ「ハタヨガ」から端を発しているものがほとんどです。
「ハタヨガ」はサンスクリットで「ハ(ha)=太陽」と「タ(tha)=月」そして「ヨガ(yoga)=結ぶ」を意味します。
「太陽と月」「陰と陽」など対になるエネルギー同士を結びつけ調和させていくという意味です。
伝統的な「ハタヨガ」は主に座位のポーズをとりながら、呼吸や目には見えないエネルギーの流れをコントロールすることをメインとしていました。
しかし、ここ100年程で出来上がった現代の「ハタヨガ」は、身体的な動き、エクササイズ的要素が多く含まれています。
もともとの「ハタヨガ」は、呼吸法やエネルギーのコントロール法に重点を置き「ラージャヨガ」に到達するための準備段階としてありました。
●まとめ
ここまで、「伝統的ヨガ4種類」と、「ハタヨガとラージャヨガの関係」について解説しました。
代表的な「伝統的ヨガ4種類」は「ラージャヨガ」「ジュニャーナヨガ」「カルマヨガ」「バクティーヨガ」です。
これら、異なる種類のヨガですが、それぞれのヨガの要素が入り交じり相互に影響し合い「ヨガ」として成り立っています。
ヨガ5000年の歴史の中で、現在、私たちに一番なじみのあるエクササイズ的「ハタヨガ」はここわずか100年ほどで世界中に広まりました。
もともとは「ラージャヨガ」(瞑想)に到達するための過程として、呼吸法やエネルギーコントロール法としてあった「伝統的ハタヨガ」が派生し現代の「ハタヨガ」になりました。
現代ヨガの「ハタヨガ」は、現代社会を生きる私たちのライフスタイルに合った多様なスタイルを生み出してきました。
現代ヨガ「ハタヨガ」と「伝統的ヨガ」の両方を知ることでヨガをさらに面白く学ぶことができます。
ヨガには、どちらがいいとか、何が一番優れているというのはありません。それぞれに特徴があり、人それぞれの個性に合うヨガがあるだけです。
これからヨガを始める方や既にヨガを学んでいる方も、ヨガの種類とその特徴を知り、どんなヨガが自分にふさわしいか見極めることは大切です。
自分に向いているヨガを選び学ぶことで、ヨガを楽しく継続し、深く理解するための近道となります。
ヨガの道は違っていても、最終的なヨガのゴールは1つです。「自分の本質を知り幸せに生きる」ことです。ヨガは、そのためのツールとしてあるものなのです。
最後までお読み頂きありがとうございました。